29人が本棚に入れています
本棚に追加
/1ページ
ぎゅうぅぅぅ
私が家の中を歩いていると、いつも突然、母に捕まって抱きつかれます。
母は、私を好きすぎるので、いくら
「ウザい、キモい」
と言っても、すぐに私に触ろうとするんです。
「お姉ちゃんにはやらへんのに、なんで私だけ!?」
私がそう尋ねると、
「だってお姉ちゃんが1年生の時にさぁちゃんが生まれたから、お姉ちゃんをぎゅうってできなくなったのよ。さぁちゃんを抱っこしておっぱいあげなきゃいけなかったからね」
と母は答えました。
なんだか、納得がいきません。
「じゃあ、私もう6年生なんやで、おんなじように、ぎゅうやめればいいやん」
私はそう言うけれど、母は、
「だって、お母さんはうちで1番小さい子をぎゅうするものだから、仕方ない」
と言って聞いてくれません。
「私、お母さんと同じくらい大きいんやけど!」
そう、私の身長は162センチを超えました。
母とほぼ同じです。
「でも、うちの子供で1番小さいでしょ。お姉ちゃんを抜いたら、やめてあげる」
母は引き下がりません。
ちなみに姉は170センチを超えてます。
だから、私は早く170センチを超えたいです。
でも、母に髪を結んでもらうのは好きです。
休みの日など、母に時間がありそうな時は、
「お母さん、髪の毛結んで!」
とお願いします。
母は、
「えぇー!?」
と言いながらも、私の髪を結んでくれます。
それも、決まって編み込みなどの難しくて時間のかかる髪型にされます。
私は、実はこの時間がちょっと好きです。
母には内緒ですが。
だから、ぎゅうううっと捕まえにきた母から逃げつつ、その直後に髪を結んでくれるようにお願いすることもあります。
だから、私と母はいつも文句を言い合ったり、喧嘩したりしてますが、実はとっても仲良しなんです。
最初のコメントを投稿しよう!