類は涙(るい)を呼ぶ

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類は涙(るい)を呼ぶ

新戦創世紀(しんせんそうせいき)三年 グリーフ王国を取り込んで拡大した真インセンス帝国の内政は安定しつつあった。 かつての王都、帝都をそれぞれ"支都(しと)"として運用し、かつての国境を新たな帝都として一つの国家を創り上げたのだ。 皇将軍、シャイン・パラディン、ガーランド・シエンの指揮の下、真インセンス帝国は各地に勢力を伸ばし、今や世界の均衡を保つ"最強の国家"として育っていた。 そんな折、総隊長として1年以上国を支えてきたコールアウト・エピはとある喫茶店である青少年と出逢う。 どこか懐かしげな雰囲気を醸し出していたその男の正体はプレース・ロア。 かつて旧グリーフ王国軍の隊長を務めていた男だった。 彼の目的は国を取り戻し、この戦争を弄んできた者たちへ復讐すること。 エピは必死に彼を止めようとするが、もはや運命は変えられない。 無常にも彼はラストアーマーを解放し、黒き姿を身に纏う。 それは日の光を浴びるために這い出てきた地獄の住人が如く。 ーーーーーーー その"始まり"は何を意味するのか 彼の"咆哮"は乱となるか、それとも変となるのか いずれにせよ、流るる"涙"は数知れぬ ただ、語らずとも自明の理 紛れもない これは"最期の章"であるーーー
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