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 彼は僕の頭を片手で支えて、キスをしてくれる。たまにしかしない、長いキス。  玲次と初めてキスをしたのは、僕の17歳の誕生日だったなってことを、ぼんやりと思い出す。  玲次の柔らかい舌が、僕の唇の間に入り込んで優しく舌を舐めてるのがわかる。僕も舌を絡めて応える。僕はあんまり、上手くない。いつまでたってもぎこちなくて。  ああ、ここで結構ギリギリ。気持ち良くは、ない。気持ち悪くもないけど、その一歩手前。  玲次の唇がそっと離れる。僕は小さくため息をつく。  今度は頬にキスされる。それから耳に。首筋に。何度も短いキスを繰り返しながら、それは少しずつ下がって行って、今度は鎖骨に。体がきゅっと縮こまる。この感覚、やっぱり苦手だ。  玲次はそこで少し離れて、また僕の顔を見る。恥ずかしいからあんまり見ないで欲しい。  彼の手は僕の背中を滑り降りて、腰にそっと触れる。そうしてから、指先がスウェットの中に入り込み、僕の腰骨をすうっと撫でる。  逃げ出したいのを我慢して、ぎゅっと目を閉じる。  その指先は、暫く僕の腰骨辺りをなぞってから、脇腹を辿って来る。
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