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ダメだ、やっぱり背筋に悪寒が走る。でも、僕さえもうちょっと我慢できれば、何とかなるかもしれないんだし。
でも、それでも。
脇腹を辿ってきた指先が、僕の胸の敏感なとこに軽く触れた。
僕は反射的に、玲次を押しのけていた。突き飛ばさなかっただけでも、去年よりはマシかもしれない。
でも、まただ。
また、玲次にだけ我慢させることになる。
玲次は僕のスウェットの中から片手を抜き取り、僕の下唇をそっと撫でる。
知らない間に強く噛み締めていた僕の下唇には、歯の跡がくっきりついているのだろう。
彼はそこに軽く口付けて、小さく笑う。
「ほんとお前バカだな。…無理すんなよ」
そう言って、僕を抱き寄せる。
その時、僕の脚にあいつのアレが触れた。
勃ってんじゃん。
無理してんのは、お前だろ。
触れてしまったことに気付いたのか、玲次は仰向けになって、腕を僕の首の下に入れて肩を抱く。
「ほら、早く寝ろよ」
僕は何も言えなくて、彼の腕枕で丸くなる。
今年も、やっぱり何も変わらなかった。
でも。
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