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 僕も向かいに座って、広げられているメニューを覗き込む。今日のオススメの生牡蠣が美味しそう。  程なく店員さんがやって来たので、崇純さんはビールと僕の分のコーラをオーダーする。 「あと、枝豆と…お前は」 「じゃ、鶏の唐揚げ下さい」 「全然とりあえずじゃねぇじゃん!」 「唐揚げ好きなんですもん。すぐ食べたいから」 「知ってるけどさ。あと、おつまみキャベツお願いします」  これだけ大御所になっても、店員さんに対して横柄にならないところが、崇純さんのいい所。  店員さんが扉を閉めて去ると、崇純さんはおしぼりで手を拭きながらポケットに入っていたアメスピを取り出す。 「最近どーよ?」 「僕ですか? あ、久々に年越しライブに呼んでもらったのと、先月ルージュレイズの再結成やりましたよ」 「お、今年は面白そうじゃん。年越しライブって?」  崇純さんは興味を持ってくれたようで、タバコを吸いながら微妙にこっちに乗り出す。 「ケルベロス知ってます?」 「知らない奴いないだろ。…まさかお前」 「去年まで知らなかったんですけどね」
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