1人が本棚に入れています
本棚に追加
1
今日は土曜日。休日をゆっくり過ごそうと思いながら起き上がる。掃除サボってたからやらなきゃ。玲次に何させよう。
隣で寝ていた玲次もそれに気が付いたのか、こちらへ寝返りをうって目を開ける。
「おはよ」
声をかけると、うーんとか唸っている。どうせ二度寝するんだろうな。昨夜遅かったみたいだし。僕が寝る頃にはまだ帰ってなかった。
「……龍樹、何時だ?」
「8時半。まだ寝てるんだろ?」
「いや…起きる」
珍しいこともあるもんだ。ただでさえ朝弱いのに。
「僕はもう起きるけど、好きにしてろよ」
「起きたくねぇ……いや起きる……」
「寝てればいいじゃん?」
MVの撮影は明日だし、今日はスケジュール入ってなかったんじゃないかな。でも玲次は起き上がる。
「起きるんなら、朝飯どうする?」
「んー……」
目は覚めきらないみたい。それでも、僕の肩をつかんで、僕にキスをする。僕は朝飯ではない。
「……食う」
「ん。じゃ、パン焼いとくから」
「……ん」
まだ全然眠そうな玲次を置いて、キッチンへ向かう。朝食はいつものトーストと目玉焼き。朝から手の込んだことする程、料理が好きなわけじゃない。
最初のコメントを投稿しよう!