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適当な感じで準備をしてテーブルに置き、牛乳もグラスに注いで並べる。
いいタイミングで玲次がベッドルームから出て来た。
寝癖で髪はあちらこちらを乱雑に向いているし、目は開き切ってない。スウェットのズボン、片足ずり上がってるんだけど。あー、ほんとカッコ悪い。百年の恋も醒めるぞ。慣れたけど。
これ写真に撮ったら玲次のファンに高く売れるかな、なんてどうでもいいことを思いつく。やらないけどね。
「早く座れよ。冷めるだろ」
低血圧の玲次はのろのろとテーブルにつく。とりあえず牛乳を口にしてから、手を合わせて小さな声で「いただきます」。よくできました。
「いただきまーす」
僕も手を合わせてそう言って、トーストをかじり始める。
「昨夜何時に帰ってきたんだ?」
「2時かな……それからちょっと作業してたから…寝たのは4時頃か」
「4時間半しか寝てないじゃん。もう一回寝れば?」
「いや……」
いつもなら二度寝コースなのに、今日はどうしたんだろ?
もそもそとトーストをかじりながら、向かいでため息をつく。
「……歯医者の予約入れちまった」
「ああ、そうなんだ? どっか痛い?」
検診の時期じゃないもんね。来月予約してた気がする。
「痛いとこはねぇけど、ヤニがな…サキさんにクリーニングして来いって言われた」
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