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昨日から溜め込んじゃった食器を前に腕まくりをしていると、玲次が後ろからぎゅっと抱きついて来た。
「なに?」
玲次は答えない。別に意味なんかないって知ってる。ただ、僕を抱きしめたいだけ。
「アルコール残ってない? 大丈夫?」
車を出すのは玲次だ。それだけが心配だけど、帰ってから飲んでないなら大丈夫なはず。
ちなみに僕も運転出来るけど、東京に来てからはあんまり運転してない。車は玲次のしかなくて、保険の対象の問題で僕は運転出来ないのだ。配偶者じゃないからね。
「残ってねぇ」
「コーヒー飲む?」
「ああ、飲む」
ちょっとは目が覚めてきたのかな?
玲次は僕の頬に軽くキスをすると、やっと離れて、リビングのテーブルの前に座ってテレビをつけてタバコをくわえる。
僕は食器をいったん置いておいて、マグカップにインスタントコーヒーをスプーンですくって入れ、ポットのお湯を注いだ。
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