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それにしても、雄貴さんもいい大人なんだから、こういう悪戯は控えてもらえないだろうか。こういう少年のような悪戯心がケルベロス現役の原動力とか、そういうのはいいから。
とりあえず、タバコでも吸って落ち着こう。タバコをくわえて火をつける。
今日の晩飯、俺が作るか。ちょっとでも機嫌とっとかないとな。何で俺が機嫌とらなきゃなんねぇのかよくわからんが。
でも、あいつが傷ついたんなら、何かしてやりたいじゃねぇか。
タバコが2本灰になる頃、ベッドルームのドアが開いた。振り向くと、まだ少し不貞腐れた顔をして、龍樹が立っていた。
「…雄貴さんの住所」
俺に向かって、1枚のメモ用紙を差し出す。俺はそれを受け取って、確認する。
「明日送り返しとく」
「着払いでいいって」
「了解」
メモをテーブルに置き、立ち上がる。
「腹減ったろ。何が食いてぇ」
「唐揚げ」
「時間かかるぞ?」
「いいよ」
ちょっと手間はかかるが、それで機嫌直してくれんなら、家内平和の為に作ろうか。
その前に。
冷蔵庫のコーラを取り出して、テーブルについた龍樹の前に置く。
「1時間くらい、待っとけ」
「うん」
今、少しだけ笑ったかな。
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