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だが、その途中で俺はポリッシャーを動かす手を止めた。
目の前の大理石の床の上、そこに赤い水溜りができていた。
…いや、それはただの水溜りではない。
生臭さと鉄臭さの混じった匂い、それは紛れようもない赤い血だまり。
(このまま先に動かすか?いや…)
俺はポリッシャーを止めると赤い血を流す一枚の絵の前まで向かう。
それはギロチンで処刑された男の絵画、広場の中で処刑され、首から流れ出る血がレンガの上に止めどもなく溢れ出し、絵画の外へと侵食している。
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