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シスターたちの言葉は幼い里帆がそう思い込むには十分なほど、呪詛となっていったのだった。
自分を責める形となった里帆は、自然と顔を俯かせ、言葉数も少なく、まるで自らの罪の重さに耐え忍んでいるかのような生活をしていた。
そんな里帆に第一回の転機が訪れた。それは中学生の時だった。
歴史の授業でキリスト教について学んだのだ。その時、里帆の頭の中に数々の疑問が生まれてきたのだった。
本当に神は存在しているのだろうか?
本当に神は皆に等しく、平等なのだろうか?
そもそも自分を信仰しない者たちを異端者として切り捨てる、その考えは正しいのだろうか?
神という存在が、そんなにも狭量で良いものなのだろうか?
里帆の中でどんどんと浮かび上がってくる疑問。しかしその疑問を口にする勇気は、中学生の里帆にはなかったのだった。
悶々とする中、里帆は高校生になった。高校も『クリスチャン』が集まる女子校で、授業は全てシスターが教師となり教壇に立っていた。
そんな神を信仰する者たちが集まった場所に、異端児と呼ばれる一人の生徒が現れた。この生徒の存在こそが、里帆にとっての第二の転機となるのだった。
この生徒は常々里帆が疑問に思っていたことの代弁者だった。それどころが学校内において堂々と、
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