5.恋一夜

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5.恋一夜

   後から後から、幾つも頬に涙が落ちるのを、優しいキスが受け止める。  頬に手が添えられ、唇がふさがれた。  あっと言う間に頭の中が蕩かされていく。 「⋯⋯甘い」 「え?」 「涙はしょっぱいものだけど、お前の体液は全部甘い」  そう言いながら、あいつの手が、僕のシャツの中に滑り込む。首筋にキスをされ、舐め上げられて、小さな悲鳴が漏れた。  指で摘まみあげられた突起は、捏ねられるたびに体に快感を与えていく。 「⋯⋯は、んっ」 「最初から感じてるなんて、やらしいの」  嬉しそうに言う顔に腹が立って顔を背けたら、グイと顎をとられた。 「あの男に、どこ触らせたの?」  ぞっとするほど低い声で言われたから、思わず首を振った。 「さくや、言って」  耳の中に息を吹き込まれ、腰が震える。 「え、え⋯⋯。顔に、ちょっと⋯⋯」  そう言った途端、乳首をつねられる。軽い痛みが快感に変わった。  手の動作とは裏腹に、顔中に優しいキスの雨が降ってくる。  唇が重なった後に、じんわりと舌が吸われて、唾液が流し込まれた。思わずごくりと飲み込んだとたんに、体が跳ねる。 「!???」  あっと言う間に、体が熱に包まれていく。 「あ⋯⋯あ!何、これ」 「お仕置き。俺の体液も、甘いだろう?」 「や!あ、あああ!!!」  自分のペニスが勃ち上がって、透明な雫を零している。下着の前に染みが出来る。  あいつは起き上がって、自分の服を全て脱いだ。その後に、にっこり笑ってぼくを下着姿にした。  下着の上からペニスを摺り上げると、僕の口からは悲鳴が漏れた。 「や、やだ、やだ。取って」  布で擦れた場所がたまらなくもどかしい。今にも極めてしまいそうなのに、僅かに届かない。 ちゅ、ちゅと乳首を吸われて擦られているうちに、はち切れそうな熱が先端に集まってくる。   「あっ!だめ、いくッ!!」  弾ける瞬間に、ぐっと根元を握り込まれる。行き場を失った熱で、気が狂いそうだった。  手を離されても、いくにいけなかった熱が切なく疼いている。  ポロポロと涙がこぼれて、頬をいくつも伝い落ちる。 「⋯⋯な、んで。ど、して⋯⋯?」 「ほんと、可愛くて死にそう⋯⋯」  そう言って、とびきり優しいキスをしてきた。 「少し目を離すととんでもないことするから、お仕置き漬けにしようかと思ったんだけど」  下着を取られて、ペニスを指で上下に擦り上げられれば、すぐに極めた。 「ああああああ!」  白濁が腹に飛び散り、目の前が白くなった。  あいつは、自分の指を舐めた後に、白濁を手に取って後孔に触れてくる。  僕の孔は、驚くほど蕩けていて、あいつの指を飲みこんでいく。
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