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【第1話 プロローグ】
僕の物語は、おかしな当選通知から始まった。どうしてこんな怪しげなものに応じる気になったのか今でもわからない。
退屈だったのだとは思う。代わり映えのしない日常、うだつのあがらない人生に飽き飽きして、現実よりもゲームの方が楽しかった。リアルを充実させる努力よりも、斜めに向いた努力にこそやりがいを感じていたんだ。
怪しげなクローズドベータテストの仮装現実で僕はリンゴに出会い、その日から世界は鮮やかな色彩を取り戻した。
たとえ、すべてが嘘だったとしても。
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