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 仏滅とは「全て完全に滅する」と言う意味が明治のずっと前から日本には伝わっている。  それを律儀に守り続けているのが影の中に潜むあやつらであった。    先負が終わると早速仏滅に入る。  先負が終わりを告げる少しばかり前から、月明かりに照らされ落ちた影がそわそわと動き出す。影の中が騒がしくなっている。  仏滅を待ちわびているモノたちが麻布十番には数多にいるのだ。  仏滅に入ったぴったり0時。  仏滅座の中にぼうっと薄明かりが射し始めた。
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