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王の間に行く間、優樹と緋久子は自分の頭やお尻をさわりながら、どうにかこうにか猫耳と尻尾を隠す事に成功していた。
彼らの反応の早さに、エドガーが内心感心していたのは内緒である。
優樹がいつの間にか鞄から眼鏡を取り出して掛けている。地球では、車の免許取得時に視力矯正の為に作って掛けていたのだ。
ここで眼鏡を掛けたのは、目上の人に会うのに、視力のせいで眼をしかめるのは、失礼だと思ったからだ。
ーー常時擬態が人間で良かった……
と心底しんそこ思ったのは、内緒である。
王の間に入ると、玉座に王の姿があった。
玉座の数メートル前で止まる。正規の礼儀作法があるのかもしれないが、判らないので、優樹達3人は立ったままだ。
ここで行ったのは、彼らのステータスの確認と、小説や何かでありがちなもの──
『元の世界に戻る方法が無い』
という絶望しか無い事を伝えられたのだった。
そして、城内に部屋をあてがわれ、こちらの世界の常識と生活に必要な基礎知識、魔術の授業を半年近くみっちり受ける事になった。
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