6.

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挿れられるかどうかはさておき、我慢を強いられ辛そうなひかるの表情を見ているのが苦しかったから。 なのに。 「女性とは体の作りが、違うんだから……」 もう少し、とやんわり諭されて。 そうやって会話をしている間にも体の内外それぞれに与えられる刺激が崚を焦らす。 自分だけこんなに気持ち良くていいのか。 我慢出来ない。 「早、く挿れ……っ」 「ほら」 これでしょ、と口角を上げた相手。 突如、後孔にあてがわれた熱に反射する身体。 崚の臀部を優しく撫でたひかるは、「怖い?」と尋ねた。 分かっていて、聞いた。 さっき相手が何を口走ったのか、ちゃんと耳にしていたから。 本人もきっと、自覚している。 「ちが……欲しい……」 「煽った責任、取ってね」 前髪から覗いたひかるの双眸はギラついて。 崚の筋肉質な脚を掴み肩に乗せては、容赦なく腰を沈めた。 「ぁ、ぅあ……っ!」 「……っ」 いくら念入りに解したとは言え、もともと受け入れる器官ではない場所への挿入だ。 熱く、包み込まれるのは気持ちいいが、よく締まると言うよりも、きつい。 「……崚、ゆっくり息して」 覆い被さり抱きしめながら、耳元で伝える。 「ん……っは、ぁ……っ」 シーツを握りしめていた彼の手もまた自分の肩に縋りつき、必死に受け止めてくれていた。 少し震えている指先が、体への負担が大きいことを物語っていた。 自分の体をあけ渡す意味がどういう事か、彼の様子を見て思い知る。 自分への愛情と、信頼と、覚悟が無ければ、到底出来ることではない。
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