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「女子高生には二種類いる。生クリームを無限に食べられる者とそうでない者だ」 「清水さんはどっちなの」 「私は別に生クリームは無限に食べられるけどそれだけじゃ途中で飽きちゃうからイチゴ挟んでくれたら最強タイプ」 「ストロベリーパフェの天敵は女子高生だったのか」  そんなことを喋っているうちに、赤と白の芸術作品のようなパフェが目の前に置かれた。  さっそくひと口。 「…………」 「……あれ、清水さん?」  軽い生クリームは口に入れた瞬間にふわりと口の中で消えてしまう。今食べたことを忘れてしまうほどに軽い。そして残された甘い香りと芳醇な幸福を楽しんで、また次のひと口を持ち上げる。  また時折甘さに溢れた舌の上にほどよい酸味のイチゴの果実が乗り、その心地よい刺激に私の心は揺さぶられる。  うわぁ、なんだこれ。うわぁ、神じゃん。   「……私、このパフェに出会うために生まれてきたんだと思う」 「幸せそうで何より」 「廣井くんはコーヒーだけでいいの?」 「うん。あんまりお腹空いてなくてさ」 「…………………………ひと口いる?」 「そんなに嫌そうな顔で言わなくても」  全部お楽しみください、と彼が言うので私はお言葉に甘えることにした。ぱくぱくと口に運ぶと、パフェはすぐになくなってしまった。 「案外少なかったなあ」 「無限って誇張表現じゃないんだね……」  理由は分からないが廣井くんが少し引いていた。  私はセットのストレートティーに口をつける。  
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