授業

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授業

「ん? なんだ? さっきまで威勢がよかったのに、急に萎んだな。どうした? 」 すると、デミートが立ち上がり、凄い剣幕でレッドに怒鳴った。 「嘘だろ?! 親父が自分の娘にそんなやつをつけるか?! 」 レッドはめんどくさそうに話し始めた。 「お前ら、さっきまで俺のこと見下してたよな。分かってる。悪魔は差別される生き物だ。そして、お前の親父はそうなることがわかっていたんだ。だから生徒が敬い、目上に感じられるように、俺が選ばれたんだ」 デミートは、これからずっと恐怖しながら過ごす学校生活に絶望していた。 「......まあ、自己紹介はこれぐらいにして、授業を始めるぞ」 レッドがする授業は普通の授業ではない。悪魔レベルの魔力を持った人間相手では、普通の授業は退屈で何の役にも立たないだろう。 それもレッドが選ばれた理由の一つだ。 実習室では魔力の放出の仕方。 「魔力は箱の中に入っているようなものだ。普通はその箱の蓋を全開にして魔力を放出する。しかし、我々悪魔は、蓋に穴をあけ、勢いよく魔力が飛び出るようにするんだ。人間がこれをやると、あっという間に干からびて、悪魔になる。お前らだったらそうはならないはずだ。やってみろ」 グラウンドで竹刀を使った約束試合。 「戦いでは、人間は視覚と聴覚しか使わん。しかし、悪魔はその人間から漏れ出る魔力、殺気を感知して戦いを有利に進める。そのために自らの目を潰す悪魔もいるぐらいだ。お前らは目を瞑ってやってみろ」 一日はそれで終わりだった。教室で挨拶をし、各自下校をした。 「あの、先生」 レッドに話しかけてきたのは、セイだった。気の弱い金髪の少女だ。 「なんだ? 面倒くさいことでなければ、少しは付き合ってやる」 「では、一つだけ質問です。悪魔と人間の恋についてどう思いますか? 」 ふむ、と少し考えた後、レッドはいった。 「別にいいと思う。悪魔も元は人間だ。魔力の箱が壊れて、その箱がある部屋そのものが魔力の箱になっただけだ」 「な、なるほど......」 少なからず女子に人気があるのを、レッドは理解していなかった。
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