3人が本棚に入れています
本棚に追加
♯3
まず、こっそりいつでも見られないか家中の鏡を試してみた。手鏡、クローゼットの鏡、コンパクトミラー…どれも期待に満ちて気持ち悪い顔した俺しか映らなかった。こんな汚いものじゃなくて俺は天女の氷雨君子が見たいのだ!
やはり唯一映ったのは洗面所の鏡だけだった。
家族と共同の場所だが仕方ない…。
俺の運命はこういうものだったのだろうと受け入れる他…ないのだ。(嘆息)
見えてしまうものは仕方ない。堪能することにするので更に色々研究をした。
例えば彼女が入浴するのは午後7時~午後9時。
宿題の量によって左右されるようで日によっては1時間前から待機していても現れないことがある。
今夜はタイミングバッチリ。
いよいよ…入浴前の…ウヒョー!
ガラッ
「ちょっと隆一?いつまで洗面所独占してるのよ。」
「わー!わー!わーーー!!!」
母さん!!!例え身内と言えど彼女の裸体は刺激が強すぎる!咄嗟に身を挺して鏡を庇う。め、目の前がっ…幸せ…鼻血が…!
母さんは盛大にため息をつく。
「あんたがそんなに鏡に映る自分を見るのが好きだったなんて…知らなかったわぁ。気が済むまでそこに居なさい。母さん台所で手を洗うから。」
「………?」
見え、なかった?いやいや息子の裸なら目に止まらなくてもこれほどグラマラスな美少女の裸体が見えない訳がない。ということはそもそも…見えて、いなかったのか。
俺にだけ与えられた能力と言うことか…。
ひとまず、安心。しかし彼女が入浴する前後は必ず家族の出入りがある。
故に右手の自主訓練に励むわけにはいかなそうだ。親の目には鏡には俺が映ってるのだから狂ったと思われる。
悪魔に囁かれて携帯で動画を録ろうと試みたことがあるが30分鏡の前で携帯を構えた俺がいるだけだった。我慢して目の前の光景を堪能して、後で思い出すしかなさそうだ。
こんな言い方は彼女を侮辱してしまいそうで恐縮だが、氷雨君子は優秀な「素材」だった。終わった後の満足感が他のどの教材よりも最高だった。
1週間もすれば俺は毎日鏡の虜で、趣味に彼女の持ってる下着の色を記憶するのが楽しみになった。記録じゃダメなんだよ。俺の紳士がそう囁く。1種のこだわりなのだ。
「今日は…ピンク!」
予想するのも結構楽しかった。
一番興奮するのはやはり白。
シンプルイズザベストの魅力だった。
最初のコメントを投稿しよう!