♯4

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♯4

学校では無表情&紳士を貫いた。 氷雨君子の制服の下に秘められた大胆な欲望を知ったからってヨダレを垂らしていれば普通に気持ち悪がられるってことくらい俺にも分かる。幸いにして俺はちょっとだけカッコいい部類の人間だが、見慣れると不細工だ。つーか自分の顔に自信がない。 その謙虚さが良い方向に働いていて「デュフッw君タン、昨日の下着は大胆だったねデュフッデュフッww」なんて通報寸前の発言しないよう理性が生きているのだろう。俺は法律には詳しくないが「鏡に映った美少女の裸体を見た罪」は執行猶予とかどれくらいなのだろうか?いやそもそも俺にしか見えないのだから病院送りが先か? 彼女に不快な思いはさせたくない。 こっそり楽しんで、こっそり俺のメモリーに記憶して、不思議な力が無くなれば自然に忘れることになるだろう。多感な高校二年生の時にこんな貴重な体験が出来て本当に、本当に女神に感謝している。 しかしそんな俺の想い人に危機が!! クラスのパーソナリティー欠乏症厚顔無恥キャラの陽キャ連中が華に群がる虫のようにたかっている!取り巻きの女が追い払うが傍若無人には効果がないようだ! 「君ちゃん今日も可愛いよねーw」 「もう生きる清楚って感じ?あーでも下着とかすんごいの着けてたらギャップに興奮するw」 「あー分かるw」 「…みなちゃんあっちに行こうか。」 相手にしないと決め込んだのか賢い彼女はスルリと立ち去ろうとする。しかし回り込まれてしまった! 「ちょっとくらい付き合ってよw」 「なあなあ、今日の下着の色当てゲームやらねぇ?」 「お!いいねぇー当たった奴は君ちゃんとデートな!」 「ヒュウー!やるやるぅ!」 全く下品な連中だ!恥を知れ!お前らのそんな行動が世間の評価を下げるのだし男と言う生き物の誤解にも通じるんだ!さあ彼女に頭を下げて詫びろ!…と口の中でだけ言った。モゴモゴと変な音が出た。ムリムリ陽キャ怖い、消滅しちゃう。 きっと誰かが先生を呼んできてくれて、きっといい感じに処理されるだろう。俺が関わらなくても事態は変わらない。それなら息を潜めてじっとしてる方が安全だ。 汚い男共が声を上げて予測してる。 「黒!」 「いきなりヤバすぎww」 「ピンク!」 「ブルー!」 「ブラウン!」 「ベージュ!」 …本当に?本当にこのままでいいのか? 俺の中の俺が、語りかけてくる。
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