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当然ながらこれには国民の大半が批判の嵐だった。
馬鹿馬鹿しいと気にも留めない人も多くいた。
『感情を廃止する』だなんて無理だろう。初めは誰もがそう思っていた。
けれど国も国で本気だったようでその日から目に入る映像、耳に届く情報はガラリと変わった。
どのメディアもニュースもバラエティでさえも『感情を抑えよう』との発信が多くなり、次第に学校の授業でもそういったことが取り上げられるようになった。
それどころか小学校・中学校・高校に上がる子供達は入学式の前の3日間、それぞれの担当地域で一つの建物に集められ、ひたすら『感情がいかに下らないものか』を叩き教え込まれた。
「やりすぎだ」「こんなことは洗脳だ」「この国はおかしい」と声を荒げる者が過半数を占める一方で、徐々にこの法案を肯定してくる人も増えてきた。
「感情を抑えたら職場で上司と上手くいくようになった。」
「何事もあまり深く考えないようにしていたら学校で友達との関係が良好になった。」
驚くことに、次第にそういった声も増えてきたのだ。
そして「愛情に惑わされないようにしていたら婚活が上手くいった」との声まで上がった。
少子化の加速に頭を抱えていた日本は、これには味をしめたようで満25歳で独身の男女にはお見合いを命ずるよう訴えかけるようにもなった。
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