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国民による批判の声など一切聞き入れないーー。
それがこの時の国のスタイルだった。なので当然の如く、時には暴動が起こることもあった。
ある日、二十人ほどの市民が議会へ声を上げ乗り込もうとした。
「この国はおかしい!」「こんな法律は間違っている!」
しかし一斉の叫びも虚しく、市民達は国会の入り口付近で呆気なく取り押さえられてしまった。
この時に警備員や警察に混ざって彼らを取り押さえていたのが後に『礼』と呼ばれることになる白スーツ姿の謎の組織であった。
取り押さえられた者達は刑務所ではなく、この『礼』によりどこかへ連れていかれ一か月もの間戻ってはこなかった。
心配した彼らの家族は皆、警察署へと押し掛けた。
ーーーしかし、
「私達は彼らの居場所を知っている。」「みんな元気だ、心配はない。」
何を聞いてもこういった返答しか返ってはこない。
これにより国民は国と政府、そして警察と礼、すべてが繋がっていることをこの時に初めて知ったのであった。
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