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とは言うものの…
自室の机に向かい、ノートを開きペンを片手に考える。
「世界を変える」なんて大口を叩いた。まぁそのことに後悔はない。
なぜならあの後、燕は満面の笑みを見せてくれたから。
けれど具体的に何をしたらいいのか…どういうことなら自分にもできるのか。
ペンをカチャカチャ回し頭を捻っていたその時、廊下からギギギという不快音が聞こえてきた。
あぁ…奴がきた。
コンコンというノックと同じくらいの速さでドアが開く。果たしてこれはノックの意味があるのだろうか…。
「ナツキ ゴハン デキタッテ」
イノベがやってきたのだ。
ここ数か月でイノベから発せられる不快音は日に日に増していた。
父と母が修理に出そうかと相談した結果、他に調子の悪い部分が見当たらないことからとりあえず様子見になったらしいけれど…
「ナツキ ゴハン サメルヨ」
最近思う。
なぜこいつは僕にだけ敬語ではなくなったのか。
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