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ーーー翌日
授業を全て終え、担任が教室を出ていったのを見計らって僕は教壇へと立った。
「みんな!帰る前に少し聞いてくれないか!」
帰り支度をしていたクラスメイト達の注目を一斉に浴び、足が震える。
こんなにも目立った行動をとったことは今までにない。
けれど、今自分にできること
とりあえず、家以外で自分が一番身を置く時間が長い『学校』から始めてみることにした。
「僕たちはもっと表情を出して良いと思うんだ。表情を出すだけなら礼に連れて行かれることはない。もっとみんなでいろいろな話しをして、笑い合って、な、な、仲良くならないか?」
シーンとした教室でクラスメイト達は皆、ポカーンとした表情を浮かべている。もう背中は汗でびちゃびちゃだ。
「なにを言っているんだ、平。」
沈黙が漂う中で、その静寂を一番に破ったのは入学当初からずっと隣の席である水島 春人だった。
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