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「何もしなければ何も変わらない。けど、少しでも行動を起こせばもしかしたら良い方向に変えられるんじゃないかって。」
「良い方向ってなんだよ。」
「せっかくこの高校でみんなと出会えたんだ。だからもっと…みんなで楽しい思い出を作らないか?
そのためにもみんなといろんな話しをして、一人一人のことをもっとよく知りたいんだ。」
再び静まりかえる教室内で、他の生徒達はそれぞれ近くの生徒と目配せをしている。
「平。」
先ほどとはうって変わって、目元だけに笑みを浮かべた穏やかな表情で春人は口を開いた。
「俺達は変わりたいなんて言ってないよ。」
ーーその春人の一言に、まるで後頭部を何かで打たれるような感覚に襲われた。
確かに、そうだ。
これは完全に僕の、僕だけのエゴだ。
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