雪山

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誰かいる!? 「おーーーい!!!」 大声を出したが吹雪く風の音にかき消されてしまう。 猛吹雪の中急に声を張り上げたせいで喉が刺さる様な痛みが走った。 これ以上声を出したら本当に凍えて死んでしまうかもしれない。 どこにそんな体力が残っていたのだろうか。無我夢中で走った。 その大きな黒い影に近づいた瞬間、 寒さとは違う、何か体の芯から凍りつく様なものを感じた。 おかしい。 何かがおかしい。 大きな黒い影は、人型に倒れている跡だった。 さっき最後の力を振り絞って走ったせいで、もうほとんど手足に感覚がない。 その場に崩れる様に倒れると、その人型の跡にぴったりとはまり込んだ。 早く追いつこうと必死で全く気がつかなかった。 足あとが、逆向きだったことも。 薄れていく視界の中でぼんやりと記憶が蘇ってきた。 俺に仲間なんていない。仲間なんて最初からいなかったんだ。 この足あとは 「俺のだ」
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