雪山

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もう何時間歩き続けているのだろう。 辺りは猛吹雪で包まれ、体は冷え切り、思う様に動かない。 どうして仲間とはぐれてしまったのか覚えていない。 気がつくと吹雪の中、地面に倒れていた。 携帯の充電は倒れている間に切れてしまったようだ。 足もふらつき出し、体力も限界がきている。 ふと目の前の地面に小さな影が見えた。 「これは……」 吹雪でよく見えず、目を細める。 ……足あとだ!! 足あとは深く、真っ直ぐ続いている。 先の方は吹雪で見えない。 近くに誰かいる!……きっと仲間だ!! そう思っただけで心の中にぱっと火が灯る様な希望を感じた。 一歩ずつ、一歩ずつ、踏み締めて足あとをたどって行く。 ゴォォと唸る様な地響きがした。まずい、雪崩がきそうだ。 早く、たどり着かないと…… その時、足あとの先の方に、大きな黒い影が見えた。
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