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目が覚めると既に外は暗くなっていた。冬で日が落ちるのが速いだけで、まだ十八時ぐらいだ。三時間程度寝てただけのようだった。
部屋を見渡すと、改めてその汚さに笑いが出た。
何となく、年末に掃除をする意味が分かった気がする。
新年とは、新しい自分に変わる場としてはふさわしすぎる。だからこそ、年末にその準備をしっかりしないといけないのだ。
新しい自分になれた時は、もう一度君の姿が見たい。
最後に見たショートヘア―の君の笑顔。あの笑顔は、どんな拘りのある部屋よりも綺麗だった。
ただ片付けることだけが、綺麗な部屋である条件というわけではないのだろう。
勢い付けて立ち上がり、軽く体を伸ばす。目覚ましに両手で頬を叩いてグッと気合を入れる。
「……さて、掃除するか!」
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