ダンゴムシの足あと

1/1
前へ
/1ページ
次へ
 小さな小さな足あとが付いていく。捕まえて手のひらに置いてはころころしてみたり。そのうちに起き上がっては歩き廻る。ただじっと見ているだけであるが俺の脳裏には確実に遊んだあとが刻まれている。  歩いている姿を見ていると小さな足が十四本、何でこんなに沢山あるのかと不思議がって聞いてみるが確かな返事は無い。学者じゃ無いから当たり前と言えば当たり前だ。  そう言えばこんな小さな足なのに何処に足あとが付くんだろうか。虫眼鏡を持って来てみても跡があるわけでも無い。然し、一生懸命に歩いた跡には足あとが残されている。  当の本人のダンゴムシも足あとが残っている事が分かっているのだろうか。
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加