第5話  初めての異世界転移

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第5話  初めての異世界転移

老師の宿題について、暫くあれこれと調べてみたが、やはり吸血鬼情報は見つからなかったが、無数にある創作異世界の一つに吸血鬼をテーマとする異世界が見つかった。僕は異世界転移はやった事がなかったが、調べてみるとアバターを作れば、そちらの世界に転移できそうなので、老師と、例の吸血鬼少女?と相談してその世界を試して見ることにした。 「わしも、異世界転移は初めてじゃのう。」とその世界の管理者が提示する、転移条件とアバター一覧を、三人が見ていた。 「何だか、ぴったりのアバターがあるわよ。」と少女が見つけたアバターは、黒っぽいメイド服をまとった猫耳少女で、キャラネームは本人が昔名乗っていたエイミーとして決定した。僕は、そのわきにあった、執事服姿のアバターで、名前を考えるのが面倒なのでクイとした。老師も何やら迷っていたが、折角だからと言って、美少女キャラの一人を選び、レイとして登録し三人は、その世界に転移した。  転移すると、お決まりの序章の様な展開が始まっていたが、特別ゲスト条項を取得していたので、面倒な部分はパスして一挙に核心部に近づくと、壮大な城が現れ、招き入れられた僕らの前に、おそらくこの城の王様と思われる人物とそのわきに重臣と思われる、獣人やヒューマノイドが数名いて、なぜか僕らを歓迎してくれていた。 「よくおいで下さいました。勇者様と魔導士様。」と王が挨拶をしてきた。勇者は、如何も僕らしく、黒魔導士がエイミーで白魔導士がレイ(老師)として認識されているらしく、そうであれば、もうちょっとふさわしいアバターにしておけば良かったかなと思ったが、これも治療の一環だから贅沢は禁物と思い直して僕は、この状況に合う様な応答をした。 「召喚頂き光栄でありますが、早速任務の内容をお聞かせください。」 「はい、今現在この国、いやこの城は、強大な吸血鬼の軍勢に攻め込まれておりまして・・・」そう言うと、ビュワーが現れ、戦闘状況と勢力図が表示され、 「このままですと、敵軍勢がこの城に到達するまで七日と持たない状況です。ぜひお三方のお力をお借りしたくお頼みもうしあげます。」との王の言葉に、また戦闘かよと内心引き気味の僕に代わり、レイ(老師)が 「敵将の位置は、調べがついておりますの?」と言うと 「明確には分かりかねますが、敵軍は直線状にこの谷を通り進軍しておりますので、おそらくこの中心付近化と思われます。」と獣人の一人が説明した。 「ふむ、それでは、早速、式神(しきがみ)を放ちましょう。」と言ってレイは無数のちょうちょを放った。ぼくは、内心、そんな能力があるのかと思い、ステイタスを確認し始めたが、 「なんとかその敵将とお会いしたいものですわね。まずは、敵を知る事が大事ですわ。」とエイミーが付け加えていた。その後、城の尖塔部分に行き、この国の全容を重臣たちから説明を受けたが、空からの攻撃が無ければ、侵入経路は一つしかなく、国全体が高い山々で囲われているこの国の唯一の出入り口は、城の背後の山から流れ落ちる川が流れ下る先であった。僕は念話で老師と (大丈夫ですかね。いきなり戦闘シーンですよ。) (ああ、だいじょうぶじゃ。特別アイテムも用意しておるでの、じゃが、敵将を生きたまま捕らえねばならんじゃろうな。その辺から、エイミーの治療のヒントがあるやもしれんのう。)そんな中、レイ(老師)が放った式神が戻り、かなり詳細な情報が入り始めてきた。
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