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ワガママ息子
✻Keiichiro✻
まるで絵に描いたような展開に
苦笑いするしかなかった。
「今、お茶持って来たるわ」
そう言ってソファから立ち上がり台所へと向かう。
冷蔵庫からお茶のペットボトルを出して、和輝の白クマのコップに注ぎながら
勝手に出るため息。
ずっと見計らってた
"遥ちゃん"から"遥"と呼ぶタイミング。
いい感じで遥って呼んだのに、結局テレを隠せなくて顔は赤くなるし
その後にこの
その気になった気持ちの冷却タイム程虚しいものは無い。
和輝さえ、もっといつもみたいに思いっきり熟睡してくれてたら
今頃は………。
和輝には悪いけど
頭の中に浮かぶ、もしもの世界。
ソファで和輝と笑い合うそんな顔を見たら
やっぱりため息が漏れる。
急がなくたっていい
そうは思ったって
……オレも男だし
側にいればそんな気持ちになるのは自然で。
それは好きになればなる程
一緒にいればいる程に強くなる。
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