記憶に変わる夢

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記憶に変わる夢

トントンと軽く腕の辺りを叩かれて ハッと目が覚めた。 今のは………夢……? だけど、夢にしてはやけにリアルで ケーキの味も 圭一郎さんの温かさも 幸せになれるって思う予感も ダイレクトに感じた。 それに何より 妊娠を知った時の嬉しさを、私は経験した事がないのに なのに、本当にどうしようもない嬉しさを感じて ダイレクト過ぎて 夢を見ながら泣いてて 目を覚ましてもその余韻が離れなくて、涙が止まらない。 「………どした?大丈夫?」 電気が消えた部屋だけど、薄っすらと辺りが見える暗さ。 一瞬どこにいるのか分からなかったけれど 小さな声で話しかける圭一郎さんを見て そうだ 私、圭一郎さんの部屋にいたんだと思い出す。 私の横にしゃがみ込み 心配そうな顔の圭一郎さん。 さっきの夢の中の 病院に行った事を知った時の顔と重なって、また涙が込み上げる。
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