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プレプロポーズ?
✻Keiichiro✻
予感は的中。
翌週の月曜、家に帰ったら郵便の不在票がポストにあって、翌日の夜に受け取った
“特別送達”と書かれた家庭裁判所からの封筒。
いつもは破いて開けるけれど、こればかりはハサミで開封。
『調停期日通知書』と題された用紙と
嫁さんの父親の名前の入った申立書のコピーに、照会回答書なる物も入っていた。
「なにそれ、なにが来たの」
ぴょんぴょんと飛び跳ねて、覗き込もうとする和輝。
調停の日だけ頭に入れて
また用紙を封筒に戻した。
「仕事の手紙。
難しい事がいっぱい書いてあんねん」
和輝の手の届かない、カウンターの上に封筒を置いた。
「つまんないのー」
ぷくっと頰を膨らませて
あからさまにふてくされた顔をするから、思わず吹き出す。
「ほら、そんな顔せんで。風呂、風呂!行くぞ」
和輝の背を押して、風呂へと向かった。
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