タイミング

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✻Keiichiro✻ このタイミングは ちょうど良いのかも知れない。 向こうの家にいきなり一週間、となる前に 保育園ででも、離れて1日過ごしてみるのは 和輝にとっても、オレにとっても 少しは心構えが出来る気がする。 「泊まるのはええけどな。 お前、泊まれるんかぁ? 夜、パパもお姉ちゃんもおらんのやで?」 わざとそう言ったら 「平気やもん。ツヨシ先生いるから!」 ちょっとふてくされたような顔で言い返された。 “平気やもん” その一言がやけに刺さる。 「……そっか。それならお泊りしてみるか」 オレの言葉に、ツヨシ先生と一緒になってピョンピョン跳ねてはしゃぐ和輝。 ………いつか、いつの日か 和輝が大きくなった時 こんな事もあったと笑える日が来るんやろか。 無邪気に笑う顔を見ながら オレらしくもなく やけに今日は感傷的──。
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