タイミング

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✻Keiichiro✻ それから数日後に弁護士から連絡があって 和輝を預ける一週間は 7月の終わりの週と決まった。 和輝本人には、保育園での初めてのお泊りが終わってから話そう そう決めてる。 そして今日がそのお泊りの日。 少し大きめのトートバッグに パジャマや着替え、いつも使ってる歯ブラシにコップ、タオルなんかを詰め込み 和輝はあのお気に入りのライオンのぬいぐるみを抱え、家を出た。 今日は午前中だけどうしても出勤しなければいけなくなった遥がいなくて 保育園まで和輝と2人で歩くのは久しぶり。 「明日はママお姉ちゃんもお迎え来てくれるよね?」 「そやな。一緒に朝お迎え行くからな」 覚えたてのスキップなんてしながら歩き、あっという間に着いた保育園。 荷物を預けて じゃあね、なんてあっさり手を軽く振って保育室へと消えて行った小さな背中を見送った。 思わず笑ってしまう位あっさり。 周りには嫌だと泣いてる子もチラホラいるのにな……。 和輝のあっさり感に ちょっと拍子抜けしたけれど 良い感じで気持ちが軽くなった。 門の所で振り返って見たら、早速友達と一緒に走ってる和輝が見えて、オレはゆっくりと保育園から歩き出した。 家に戻り 布団なんか干して、軽く掃除もしたりして 昼を過ぎた頃、久々に車に乗って家を出た。 向かうのは遥の職場。 今日1日くらいは、これからの事を考えずに過ごしてみたい。 こんな機会はなかなかないから オレから誘った“初めてのデート”。 君を迎えに、車を走らせる。
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