ファーストデート

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ファーストデート

「また誘う」 私の横を通り過ぎると同時に、聞こえるか聞こえないか位の声で藤木さんは言うと、そのままビルの出口へと歩いて行く。 今、“また”って言った? ビルから出て行く背中を見ながら、今の藤木さんの言葉の真意が分からなくて ただの聞き間違い ……きっと、そうだ。 そう自分の中で決めた時、スマホから通知音。 『スタバ前到着』 圭一郎さんからのLINEは、この会社の並びにあるスタバ前に着いたとの連絡。 会社前を避けて、少しだけ離れたスタバ前と約束していた。 『今、行きます!』 さっき返信もしなかったと、慌てて簡単な返事だけを送って、そこからかけ出した。
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