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✻Keiichiro✻
近くのコインパーキングに車を停めて
週に3日は昼休みに行くラーメン屋に向かう。
すっかり常連で、店長ともくだらない雑談をする仲。
『良い人出来たら連れて来なよ』なんて事も店長夫婦に何度も言われてたから
きっと今日は弄られるんやろうなぁ。
店の前は数人が並んでるけれど、全員スーツの会社員。
だから回転は早いはず
列の最後に並び、朝の和輝の様子なんかを話してたら、店から外の様子を見に店長の奥さんが出て来て、すぐにオレに気付くと
その目が隣の遥へと移り
一瞬驚いた顔をした後、ニンマリと笑いながら近付いて来た。
だからオレも笑って返したけれど
もうあれは完全にひやかす気満々な顔。
「圭ちゃん!
どうしたのー、こんな綺麗な子連れて来ちゃって!
スーツじゃ無いし………もしやデート?」
奥さんと遥は目を合わせると、お互い頭を下げたりしてるのを見ながら
「これデート以外に見えんでしょうよー。
店長と奥さんに会わせたい思って、連れて来たんですわ」
そう、これはいつかしたかった事のひとつ。
自分のお気に入りの場所に君を連れて行く
そんな場所に連れて行きたいと思うのは
特別な人だからこそ。
そっと肩に手を回したら、君はオレを見上げて微笑んだ。
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