恋愛仕様

2/2
前へ
/299ページ
次へ
✻Keiichiro✻ 近くのコインパーキングに車を停めて 週に3日は昼休みに行くラーメン屋に向かう。 すっかり常連で、店長ともくだらない雑談をする仲。 『良い人出来たら連れて来なよ』なんて事も店長夫婦に何度も言われてたから きっと今日は弄られるんやろうなぁ。 店の前は数人が並んでるけれど、全員スーツの会社員。 だから回転は早いはず 列の最後に並び、朝の和輝の様子なんかを話してたら、店から外の様子を見に店長の奥さんが出て来て、すぐにオレに気付くと その目が隣の遥へと移り 一瞬驚いた顔をした後、ニンマリと笑いながら近付いて来た。 だからオレも笑って返したけれど もうあれは完全にひやかす気満々な顔。 「圭ちゃん! どうしたのー、こんな綺麗な子連れて来ちゃって! スーツじゃ無いし………もしやデート?」 奥さんと遥は目を合わせると、お互い頭を下げたりしてるのを見ながら 「これデート以外に見えんでしょうよー。 店長と奥さんに会わせたい思って、連れて来たんですわ」 そう、これはいつかしたかった事のひとつ。 自分のお気に入りの場所に君を連れて行く そんな場所に連れて行きたいと思うのは 特別な人だからこそ。 そっと肩に手を回したら、君はオレを見上げて微笑んだ。
/299ページ

最初のコメントを投稿しよう!

401人が本棚に入れています
本棚に追加