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良い感じ
圭一郎さんお勧めのラーメンを食べ始めてしばらくしたら
13時手前。
スーツを着たサラリーマン達が続々と会社へと戻って行き、店内に残ったのは私達以外にお客さんが4人程。
手が空き始めた店長さんと奥さん。
そうなると二人の標的は当たり前のように私達へ。
「ちょっと、圭ちゃん。
馴れ初めいい加減聞かせてよ」
店長さんのいきなりの突っ込みに、食べてたラーメンを吹き出しそうになった圭一郎さんは、慌てて水を飲んで流し込んでる。
店長さんは可笑しそうに笑いながら、今度は私を見て
「圭ちゃんから、好きな子がいるって事しか聞いてなくてね。
普段おしゃべり好きなくせに、ほんっとそういう肝心なとこは口固いんだよ、圭ちゃん」
店長さんの言葉に
「肝心なとこってなんやねん」
隣でそう反論しつつも
水を更に飲む圭一郎さんが、照れてるのが物凄く伝わって来る。
「肝心だろうよ。
圭ちゃんには幸せになって欲しいって、オレもカミさんも思ってるんだからさ。
まぁ……でももう幸せそうだけどね」
ニヤっと笑う店長さんと目が合って
私まで照れて、水の入ったコップに手を伸ばした。
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