良い感じ

1/2
前へ
/299ページ
次へ

良い感じ

圭一郎さんお勧めのラーメンを食べ始めてしばらくしたら 13時手前。 スーツを着たサラリーマン達が続々と会社へと戻って行き、店内に残ったのは私達以外にお客さんが4人程。 手が空き始めた店長さんと奥さん。 そうなると二人の標的は当たり前のように私達へ。 「ちょっと、圭ちゃん。 馴れ初めいい加減聞かせてよ」 店長さんのいきなりの突っ込みに、食べてたラーメンを吹き出しそうになった圭一郎さんは、慌てて水を飲んで流し込んでる。 店長さんは可笑しそうに笑いながら、今度は私を見て 「圭ちゃんから、好きな子がいるって事しか聞いてなくてね。 普段おしゃべり好きなくせに、ほんっとそういう肝心なとこは口固いんだよ、圭ちゃん」 店長さんの言葉に 「肝心なとこってなんやねん」 隣でそう反論しつつも 水を更に飲む圭一郎さんが、照れてるのが物凄く伝わって来る。 「肝心だろうよ。 圭ちゃんには幸せになって欲しいって、オレもカミさんも思ってるんだからさ。 まぁ……でももう幸せそうだけどね」 ニヤっと笑う店長さんと目が合って 私まで照れて、水の入ったコップに手を伸ばした。
/299ページ

最初のコメントを投稿しよう!

401人が本棚に入れています
本棚に追加