404人が本棚に入れています
本棚に追加
土曜日の出来事
それから平日は毎日
お隣の松下さん親子と一緒に家を出るのが日課になった。
桜も散って
あの通り道の家の
良い香りのモッコウバラも時期を終え
今はライラックの花が咲き始めてた。
そんなゴールデンウィーク手前の土曜日。
目覚ましもかけずに、起きたのは10時。
ヤバイ
今日は燃えるゴミの日だった。
今日を逃すと火曜日まで出せない事になる。
慌てて飛び起きて
部屋中のゴミ箱からゴミを集めて
寝癖のついた髪を適当に後ろでひとつに結んで
服は部屋着のまま
一階のゴミ捨て場へと走った。
「セーフ」
まだゴミ捨て場には山になったゴミ袋が沢山積まれてて、収集車が来てないと分かり、ホッと一息。
ゴミ袋の山に自分のゴミ袋を置いて、部屋へと戻ろうとしたら
ちょうどエントランスの端っこで
和輝くんをおぶったまま、電話をしてる松下さんがいた。
和輝くんは寝てるような……?
……どうしたんだろう。
足を止めて見ていたら
電話を終えた松下さんが、ため息をつきながら振り返り、私に気付いた。
最初のコメントを投稿しよう!