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次の瞬間、自分が思い切り起きたてのまんまの姿だと思い出し
急に恥ずかしくなって
適当に結んだ髪を後悔したけれど
もう今更と思いつつも、両手で髪を少し直してみた。
でも……。
それ以前にスッピンだし
着てる服は可愛げのカケラもない
白のスウェット上下。
もう何もかもが恥ずかしくなった。
こんな自分の格好なんて気にしてる場合じゃない、そんな状況なのに……。
両手を目から下に当て、顔を隠すようにした時
ふと目の前から視線を感じ、顔を上げた。
私を見る松下さんと目が合うと
今まで見た事がない位優しい顔で微笑んで
「オレは今の感じでも、充分可愛いと思うけどなぁ」
そう言った顔は今度は少しテレたようになり、
それをごまかすように
おぶった和輝くんをヨイショ、とおぶい直した。
思わぬ松下さんの言葉に
顔が熱くなり、耳まで熱くなって行く。
「……そんな事言っても、なんにも出ませんよ?」
私も恥ずかしさをごまかすように返したら
アハハ、と笑って
「なんやー、なんか出るかと思ったのに」
松下さんらしい言葉で返って来た。
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