土曜日の出来事

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次の瞬間、自分が思い切り起きたてのまんまの姿だと思い出し 急に恥ずかしくなって 適当に結んだ髪を後悔したけれど もう今更と思いつつも、両手で髪を少し直してみた。 でも……。 それ以前にスッピンだし 着てる服は可愛げのカケラもない 白のスウェット上下。 もう何もかもが恥ずかしくなった。 こんな自分の格好なんて気にしてる場合じゃない、そんな状況なのに……。 両手を目から下に当て、顔を隠すようにした時 ふと目の前から視線を感じ、顔を上げた。 私を見る松下さんと目が合うと 今まで見た事がない位優しい顔で微笑んで 「オレは今の感じでも、充分可愛いと思うけどなぁ」 そう言った顔は今度は少しテレたようになり、 それをごまかすように おぶった和輝くんをヨイショ、とおぶい直した。 思わぬ松下さんの言葉に 顔が熱くなり、耳まで熱くなって行く。 「……そんな事言っても、なんにも出ませんよ?」 私も恥ずかしさをごまかすように返したら アハハ、と笑って 「なんやー、なんか出るかと思ったのに」 松下さんらしい言葉で返って来た。
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