異世界転移に夢を持っていた俺の気持ちを返せ

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 夜中の学校に忍び込み、音楽室で4時44分44秒になるのを待っていた。 『よし、あともう少しで時間だ。本当に異世界に飛ばされるのかねぇ。もし飛ばされたら……、やっぱり最強になってたり、勇者になったり………。それはそれで美味しいな……』  そう呟きながら音楽室で待っていると、振時計は4時44分44秒を指した。 『さぁ、何が起きる?!』  期待に目を輝かせ振時計を見た。だが…………。 『……なんも起きねぇ……。やっぱり噂は噂か……。  あぁ……最強勇者の夢が………』  周りは何も変わらずいつもの光景が広がっている。  教室の隅にあるピアノが月光によって光っており、ベートーヴェンの絵画はじっと俺を見ている気がする。 『うっ……。と……、とりあえず噂は試した事だし。俺はもう帰るか……』  音楽室には他にも七不思議があることを思い出し、俺は身震いしたあと急いで教室を出ようと歩き出した。  ドアを開き足を1歩廊下に出したら──── 『え……えっ!?!? な!!!! なぁぁぁぁぁああああ!!!!』  何故か教室の外にあるはずの廊下は綺麗になくなっており、俺はそのまま落ちてしまったのだ。
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