異世界転移に夢を持っていた俺の気持ちを返せ

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「そんで………。なんで落ちた先が草原なんだ?? も……もしかして……。これが噂の〈異世界転移〉と言うものなのではないか?! だったら俺は最強の勇者に!!!!」  そう大声で叫び目を輝かせながら周りを見渡したり、手から何か破壊光線などが出るか試したり、近くに落ちていた木の棒を振り回したりしたが………結果は予想通りの……。 「何も起きねぇじゃねぇか!!!!!!」  何も起きずに、俺は持っていた木の棒を地面へとたたき落とした。 「たくっ………。つーかこれ……、俺帰れんのか??」  その場に寝っ転がり、流れている汗を拭いながらそう口にした。  だって、このままここにいる訳にはいかない。  親が心配しているかもしれないし、友達も俺を探しているかもしれない。 「と………、とりあえず歩いて人が居ないか探すか……」  そう考え、俺は再度立ち上がり歩き出そうとした。  すると突然、太陽の光が遮断され目の前が暗くなった。  後ろからは「グルルルル………」という、とても嫌な声が聞こえ、俺は冷や汗を流しながらゆっくり後ろに振り向いた。  すると──── 「で…………でたぁぁぁぁぁぁぁあぁあああああ!!!!!」  目の前には大型トラック並………いや、それ以上の大きさがある犬……違う。  あれは……狼だ。
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