娘からの手紙

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 単身赴任二年目の冬。  仕事も無事治まり、本来であれば家族のもとへ帰っている時期に、僕は部屋の大掃除をしていた。  世間的に移動が制限されているこのご時世。  今年は家族のもとへ帰らない事に決めて、妻にも理解をしてもらった。 「来年は、帰ってこられると良いわね。ユリコもきっと寂しがるわ」  電話の向こうにいる妻が口にした娘の名前。  今年で十七歳になる可愛い娘だ。 「あいつも年頃だし、僕の事なんて気にしてないだろ。友達と遊ぶのに忙しいんじゃないか?」 「……そんな事、無いわよ」  妻の言葉に、僕は返す言葉が出てこなかった。
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