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プロローグ
人の幸せはなんだ?
愛か?夢か?金か?地位や名誉か?
「くだらねぇ…」
赤鬼のような風体をした大男は呟く。
「あぁ…くだらねぇ、くだらねぇ、くだらねぇ、あぁっ!くだらねぇ……!」
朱色に輝く瞳を持つ、大男は叫ぶ。
「力だ…力が全てだ…力があればなんでも出来る、女も、野望も、財産や地位、権力、名誉も何もかもが力さえあれば全て手に入るんだよ……!」
筋骨隆々な大男は高笑いをする。
「その為には…プライドなんてモンはクソ食らえだ…力を手にするまでの辛抱だ、その力を手にするまでは何があっても我慢よ」
大男は…力一杯壁を叩く……!
破壊音を響かせ崩壊していく…頑丈な装飾の入った壁。
「だが…我慢の後にゃぁ~至福の時が待ってんだよ…だから恥や見栄なんかいらねぇ、どんな苦渋も飲むさ」
大男は…ある一点を睨み付ける……。
「見付けたぞ…」
大男の前には…空のように透き通るような腰にまで届く、青い髪を持つ女性が立っていた。
「誰の差し金ですか…?」
「差し金…?」
大男は勝ち誇ったように不敵な笑みを浮かべる……。
「俺のだ…!」
男は…禍々しい、赤く黒いオーラのような魔力を体から発すると…オーラは魔力の塊へと変化していく……!
魔力鎧。
魔力が色濃く集まった集合体を体へと纏わせ、如何なる魔力をも弾き飛ばす鉄壁の鎧だ。
「幕だ…アグレアよぉ」
鬼のような大男の脅威が…今、青き髪の女性に向けて放たれる……!
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