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『毎日じゃなくてもさ、、たまに言ってくれたらさ。嬉しいんだけど.....。』
彼女が(⁎⁍̴̆Ɛ⁍̴̆⁎)こういう感じの顔をしながら半泣きでボソリと呟いた。
『言ってるよ。』
優しくなだめるように微笑みを浮かべ、ただ一言だけ返す彼氏。
ダダダダダダ......
『なんだのろけかよ!殺』『らぶゆー!\(//∇//)\』『おまえらずっと合体しとけ!💢アタタタタ!←神拳発動中。』
「コレは鮮やかにキメたぁ!鼻息を荒げて襲いかかってくる猛牛を見事にかわしたような大人の余裕!もりおさん。この彼氏、只者ではありませんね。」
「はい、彼氏、素晴らしい技でした。今のシーンもう一度再生してみましょう。どうぞ。」
もりおの淡々としたハスキーボイスの合図とともに二人が映ったパソコンの画面が切り替わった。絵自体は変わり映えはないのだが右上に赤文字で『replay』とテロップが書かれた場面で先程のやりとりがスローモーションで一度だけ繰り返される。
「今のでかなり勝負が見えてきましたね。」
もりお のオンライン痴話喧嘩の決着を匂わす発言がスピーカーから流れた直後、画面は再びリアルタイムのオンラインにつながった。
頬をほんのり赤く染めた彼女と微笑みを浮かべながらも【こんな事さっさと終わらせたい!俺は一刻も早く円周率を最後まで覚えたいんだけど】という腹を隠した彼氏の顔......。
その二人の微妙な距離感は現場にいなくても皆、手に取る様に理解できる程であった。
「ですが、もりおさん。彼女はまだ納得していないでしょう。溜まりまくり、持て余しているフラストレーションがどこまで封じられるのか......。コレは見ものです。」
「彼女かなり溜まってますからねー。それが若さであり歳の差カップルの宿命とも言えます。彼女.....きっと不安なのでしょうね。ですが我々もかなり不安ですよ!まさおさん。あの様子では何かやらかす可能性が充分考えられませんか? 」
二人の心配は見事的中。やはり彼女はなりふり構わぬ攻撃を仕掛けた。
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