過熱?

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過熱?

 寒い朝、真美子はリビングのストーブを強にして、その前でスマホチェックをしていた。  持っている指を動かしたときのことだった。 「あちっ」  スマホの上部が異常に熱を持っていた。  真美子はあわてて電源を切って、妹を呼んだ。 「喜美ちゃん、喜美ちゃん! どうしよう、スマホが異常に発熱してるの! 発火するかも!」  血相を変えて飛んできた妹は、ふと横のストーブを見て言った。 「もしかして、ストーブの前でいじってた?」 「え? うん、そうだけど、なんで?」  ピンとこない、痛い姉であった。  コタツにいた母親が、ふふふと笑ったあとで、 「ストーブの熱よ。スマホは熱いって言えないから。」 と言った。  真美子はようやくわかったようで、 「あ~、そういうことか。スマホ、スマン!」  ダジャレを言った。 「しょーもないことばっかり回転速いよね。」  しっかり者の喜美子はソファーに戻って飼い猫と遊び始めた。  母親がまた、ふふふと笑った。
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