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常にスクープあり?
ファーストフード店に、怪しげな男が入ってきた。
男は帽子を目深に被りながら、カウンターに小声で言った。
「ここに来れば、常に2つのスクープがあると聞いたんだが。」
「は?」
応対した店員は、思わぬことを言われて一瞬素の顔になったが、思い当たることがあってスマイルを作った。
「バイキングスクープとオニオンスクープのことでしょうか。」
男は身を乗り出した。
「それはなんのことだ?!」
店員はスマイルのまま、説明した。
「バイキングスクープは揚げたポテトをすくう道具、オニオンスクープは刻み玉ねぎをすくう道具のことです。」
男はしばしの無言のあと、
「どうやらオレを救うスクープではなかったようだな。」
と言って、出ていった。
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