短編集 そ知らぬふりしてぷぷっプー・２

職務に忠実な教師

「はい、ディスカバリーの訳。今日は９日か。出席番号９。言ってくれー。」

　立ち上がった出席番号９に、隣の奴がなにやら耳打ちした。出席番号９はプッと吹いたあと、教師の質問に答えた。

「『このカバは、リーです。』です。」

　教室内にクスクス笑いが広がった。

　教師は言った。
「イズが入ってないから違うなー。じゃあ出席番号１９。言ってくれー。」

　スルーした教師に、教室内は静まった。
　そして授業は続いた。