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プロローグ
星暦2068年11月某日――千葉県千葉市。
時刻は間もなく正午に差し掛かろうという頃。
陽光は頭上から燦々と差し込み、風も無く穏やかな気候ではあるが、冬も間近であることから気温はそこまで高くない。
道行く人々は皆コートやジャケットなどの厚着姿が目立つようになり、どこへ行くのか今日も急ぎ足で道を行き交っていた。
仕事へ向かう者。友人、知人に会いに行く者。遠方から遊びに来た者。
目的も行き先も人の数だけこの世には溢れている。
場所はJR千葉駅東口前。人の往来で最もごった返すこの時間帯だ、駅から溢れる雪崩のように大勢の人々が出てくる。
顔つきを見れば、およそその半数以上が日本人ではなく、外国人であることが見受けられる。
遡ること20年前、東京の一角で大規模な日本人虐殺事件が起きた。
ロンドンにあると言われる「協会」からやって来た魔法使いが、自らの力に溺れて究極の殺戮魔法を実験的に使った結果、5千万人にも及ぶ日本人が一瞬にして犠牲となった。
この犠牲者は当時の日本人の人口、その約半数に上り、日本経済は大打撃を受けた。
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