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後ろを振り向くと、「キョトン」という顔をしたアキ。
しまった、見当違いなことを言ってしまった!
しかもちょっと嫌味っぽかったかもしれない。実際『それくらいのお金持ってるんでしょ』という気持ちもあったし。
慌てて訂正しようとした時。
「そっか、お菓子の家か!いいなそれ」
「え?」
「あの子がすごく喜びそうだ!ありがとう静さん!」
「……どういたしまして?」
何だかよく分からないが、彼が元気になったならヨシとしよう。
「妹さんは、甘いものがお好きなのね」
「そうなんだ。あの子の笑顔はどんなものでも可愛いけど、特に可愛いのはスイーツを食べた時で、パッチリとした瞳をキラキラさせてからキュッとつむって、小さな口の端っこもむにゅーっと上がって!見ているこっちが幸せになるような笑顔なんだ」
「そっかぁ」
想像しただけで、幸せそうな笑顔。
彼が言う『世界一可愛い妹』って、いったいどんな子なんだろう。
天使みたいに笑顔が可愛くて、スイーツが大好き―――というのはよく分かった。
そんなことを考えているわたしの後ろで、アキはまだ妹自慢を続けている。
「体は小さくて可愛いし、ゆでたまごみたいにツヤツヤの顔でほっぺたは桜色、唇はさくらんぼみたいだし、長くてふわふわの髪は柔らかくていつまでも撫でていたくなるくらいだろ。あと、」
小さな体に、髪は長くてふわふわ―――かぁ。女の子らしい子なのね。
「あの子の良いところは、見た目だけじゃなくて中身もだ。素直で純粋で何事にも一生懸命で、」
性格は、素直で純粋で一生懸命―――中身もすごくいい子っぽい。
(あれ?それってどこかで―――)
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